十五代 酒井田柿右衛門

プロフィール

1968年
佐賀県有田町に生まれる。
1991年
多摩美術大学絵画学科中退。
1994年
十四代酒井田柿右衛門に師事。
2010年
第四十五回西部伝統工芸展にて初入選。
第五十七回日本伝統工芸展にて初入選。
2012年
有田陶芸協会会員となる。
2013年
国・重要無形文化財保持団体(柿右衛門製陶技術保存会)会長に就任。
日本工芸会正会員となる。
2014年
2月4日、十五代酒井田柿右衛門襲名。
佐賀県陶芸協会会員となる。
現在
日本工芸会西部支部幹事、
佐賀県陶芸協会副会長、
有田陶芸協会副会長、
九州産業大学大学院芸術研究科客員教授、
佐賀大学芸術地域デザイン学部客員教授。

濁手にごしで

佐賀地方の方言で米の研ぎ汁のことを「にごし」と言います。

「濁手(にごしで)」は米の研ぎ汁のように温かみのある白色の地肌を持つ色絵磁器で、柿右衛門窯独特のものであり、泉山陶石等を使用した特別な原料とその配合、及び独自の製法により作られております。一般的な白磁がやや青味を帯びているのに対し、濁手素地は柔らかい乳白色を呈しており、1650年代頃に、柿右衛門の色絵が一番映える地肌を持つ素地として創り出されました。その後、この素地は改良を加えられ、いわゆる「柿右衛門様式」が確立される頃には、傷や歪みなどの少ない上質のものが作られるようになります。

この濁手作品のしっとりとした素地と余白を十分に生かした繊細で華やかな色絵との調和のとれた美しさは、その当時国内はもとより国外においても高く評価され、その作品は1659年頃に本格化するオランダ東インド会社(VOC)の輸出により、広く東アジアやヨーロッパ等に紹介されていきます。

しかしこの濁手も貿易の終了と共に江戸中期頃一度途絶えてしまいました。それから長い間濁手は作られておりませんでしたが、酒井田家に伝わる江戸時代の古文書を基に、苦労の末十二代、十三代柿右衛門親子により復元されました。1971年にはその製陶技術が認められ国の重要無形文化財の総合指定を受けております。

展示目録

十五代 酒井田柿右衛門 自らの手による24点の作品群。
380年の伝統とともに今を生きる
当代の息遣いをぜひ間近でご堪能ください。

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十五代 酒井田柿右衛門展

[会期]
2021年9月15日(水)~27日(月)最終日は17時で閉場いたします
※9月21日(火)は店休日とさせていただきます
[会場]
佐賀玉屋 本館6階催場

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